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» 雪深い城下町の鉄路[ 置賜鉄道情景:米坂線 ] Date:2007-2008

 米坂線(よねさかせん)は、山形県米沢市の米沢駅から新潟県村上市の坂町駅を結ぶ、全長90kmあまりの豪雪地帯を走る地方交通線。かつては、新潟と仙台を結ぶ幹線だったが、奥羽本線、山形新幹線軌間のため列車は米沢で折り返す。米沢は置賜地方の中心で、鎌倉時代は長井氏。室町時代から伊達氏の領地であり、伊達政宗は米沢城で生まれた。江戸時代から廃藩置県までは、上杉氏の城下町となった由緒正しいお殿様の城下町。米坂線もかつての街道に沿って走るので、沿線に数々の史跡が残っている。

» すべてが雪の中 [ 白い季節 ]

 岩手盛岡を基点とする、花輪線、山田線、そして山田線茂市から分岐する岩泉線。花輪線は平成19年3月18日、山田、岩泉線は平成11月24日から、キハ58・52はキハ110に置き換えられた。奥の細道の更に先のローカル線・岩泉線に魅せられ岩泉に出向く回数は多かったが、花輪線の秋田側はロケハン程度…の撮影。結局、雪原や黄金色の田園風景を疾走するキハ58・52の画は殆んど撮れずに終わってしまった・・・・。
全国的にキハ58・52・40が定期運用を持つ路線は、JR東日本新津車両センターの米坂線・磐越西線(新津〜会津若松)だけとなったが、新潟色も国鉄色!とは言え、あまり好みのカラーではないこともあって、積極的な撮影活動にまでは至らなかった。が、紅葉まだ残る初冬に出かけ国鉄色混色編成を見てから、置賜の田園散居集落で花輪の仇が討てる!と、意気込んでみたものの、平成20年下期から米坂線にも新型車輌の投入が決定。そして、米坂線キハ58・52のラストシーズンが始まった。米坂線は冬期になるとラッセル車や特殊排雪列車(ロータリー)が運転される豪雪地帯。風景すべてが雪景色となるこの季節、地吹雪に耐えながらの撮影は出来れば避けたい処だが、悪天候ほど米坂線らしい冬情景。ネコの眼のように変る天候でも、ほぼ定時にやって来る列車が、やたら頼もしく感じた。

» 置賜盆地の鉄道情景[ 置賜田園散居集落風景 〜春から初夏へ〜 ]

置賜盆地の東側は奥羽山系で、栗子峠を越えると福島県。二宿峠を越えると宮城県。南側は吾妻山系で福島県と接し、南西側は飯豊山系で北西側は朝日連峰で新潟県と接している。名峰で囲まれた置賜に春がやって来る。田圃で代掻きが始まり、水が入ると日本一の田園風景と言われる置賜田園散居集落風景が現れる。昔ながらの散居集落が融合した田園風景のなかを列車は走る。

» 置賜盆地の鉄道情景[ 置賜田園散居集落風景 〜盛夏から初秋へ〜 ]

8月、夏の太陽を浴びて田園は緑の絨毯に変り、夏の花が彩りを添える。盆地の夏は東北であることを忘れさせる暑さ、冬場に此処が雪の原野であったことが信じがたい。蒸し暑い田圃のなか、夏の陽射しに耐えながら列車を待つのは、エアコンに馴染んでしまった身体には非常にシンドイ。農家の方々はどうなのか?と思えば、日中はあまり出歩かないようで人の姿は見当たらない。ひっそりとした田圃で時折吹く風が夏草の匂いを運んできた。9月になると徐々に田圃が黄金色に、月末には稲刈りが始まる。線路側のススキが秋の到来を告げ、秋の花々が咲き誇る。来月からの運用に備え、キハ120の試運転が本格的になる。新旧世代交代のタイミングは、昔ながらの鉄道情景への離別への時期。夕方、秋の斜光に浮かび上がる田園散居集落風景が物悲しく見えた。

» 置賜盆地の鉄道情景[ 置賜田園散居集落風景 〜錦秋から初冬へ〜 ]

稲刈りが本格的に始まる頃、車両の新旧交代が行なわれるハズであった。が、10月に入ってから公式に発表されたのは一部(A56)運用が11月からキハ120に変るというもの。ファンの間で置換えに関しての様々な憶測が飛び交ったが、結果として錦秋の情景を走ると言う嬉しい事態となった。峠の紅葉が里に降りてきた頃、今年も白鳥が渡ってきた。飯豊も雪景色、山の薄い雪雲が冬の気配を感じさせる。もうすぐ白い季節がやって来る。

It continues to the chapter of The next stage.
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