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» 四国三セク情景 [ 土佐くろしおの鉄路 ] Date:2007-0518-0520

四国の第三セクター鉄道は土佐くろしお鉄道、窪川〜中村(中村線)43.0km、中村〜宿毛(宿毛線)23.6km、阿佐線 後免〜奈半利42.7q(ごめん・なはり線)、阿佐海岸鉄道 海部〜甲浦(阿佐東線)8.5kmの2社3路線。供に、JR四国と路線計画、車両乗り入れ等の密接な関係を持っている。このうち、第3次特定地方交通線は中村線で、他の路線は、国鉄再建法の施行で工事凍結された日本鉄道建設公団建設線の宿毛線、阿佐西線(ごめん・なはり線)、阿佐東線を新規開業させた路線。旧国鉄時代に、四国循環鉄道の一環として計画された足摺岬から室戸岬までの太平洋岸縦断線。阿佐西線(ごめん・なはり線)、と阿佐東線(阿佐海岸鉄道)が繋がるれば、くろしおの鉄路が完成する事になる。

» 土佐くろしお鉄道 [ 中村線(窪川〜中村) 宿毛線(宿毛〜中村) ]

土佐くろしお鉄道は宿毛線用に設立された第三セクター鉄道会社であり、中村線が第3次特定地方交通線の対象となったのは土佐くろしお鉄道設立後。宿毛線を新規開業しても間がバス転換路線になってしまっては鉄道開業の意味が薄れるため、土佐くろしお鉄道が中村線の継続(1988年4月1日開業)も引き受ける事になる。窪川〜若井(川奥信号場)間は土讃・予土線との共用区間で特急[南風][しまんと][あしずり]も乗り入れる。中村線は旧国鉄の土讃本線延長路線として、1963年に窪川からループ線を経由して土佐佐賀までが開業。1970年に中村駅まで全通。一方の宿毛線は新規開業線で全線がトンネルや高架線・盛土区間(1997年10月1日延長開業)と近代的。鉄道情景として比べてしまえば、山あり、川あり、海あり、ループありの中村線に軍配が上がる。

»国鉄時代の名残を残す川奥信号所

 予土線と中村線の分岐点として開設された川奥(かわおく)信号場。現在はJR予土線との線路界点となっている。若井を出発した中村線の列車は、若井トンネルを抜けて川奥信号所へ。ループトンネル線で山を降り、足元の谷に再び姿を見せる。列車が走り去ると、人里離れた山中に鳥の声が響いてくる。
»くろしおの道 [ 中村線 佐賀公園〜土佐白浜 ]

 中村線佐賀公園駅付近から、列車は荒磯沿いを走る。車窓から太平洋を見渡せる景観の美しい区間で、宿毛線より土佐くろしお鉄道の名前がしっくりする。入野松原の沖はホエールウォッチングの名所で、列車はカツオ漁の港町や岬をトンネルで抜けながら中村に向かう。
»足摺岬へのお遍路鉄路[ 宿毛線 ]

 宿毛線(すくもせん)は、日本鉄道建設公団建設線(宿毛線)を引き継ぎ、土佐くろしお鉄道が新規開業した路線。全線が、ほぼ高架線となっている高規格路線であり、岡山、高松、高知方面から土讃線特急「南風」「しまんと」が中村線から直通するが、観光路線としては位置的に半端なのが否めないのが正直な感想。鉄道敷設法では山線の予土線同様に宿毛から宇和島を目指す予定だった。
» 土佐くろしお鉄道阿佐線[ ごめん・なはり線(後免〜奈半利) ]

 阿佐線(あさせん)は2002年7月1日に開業した新規開業線。その計画の歴史は、後免から室戸岬をまわり牟岐線と結ぶ国鉄阿佐線計画がに遡る。昭和40年から安芸〜田野間で工事開始、昭和56年に国鉄再建法のため工事が中断した後に、土佐くろしお鉄道が工事を継続し開業。新規開業線とあってトンネルや高架線・盛土区間となっているが、高架線のため車窓には太平洋が広がる。クジラをモチーフに海側をオープンデッキにした特別車両を走らすなど、ごめん・なはり線のイメージはまさに南国くろしお土佐。20ある各駅には、高知県出身の絵本作家、やなせたかしさんによるオリジナルキャラクターが設定され、出迎えてくれる。意外と鉄道のイメージ創りとして類を見ない独自性が面白い。

» 土阿佐海岸鉄道線 [ 阿佐東線(海部〜甲浦) ]

 延長8.5kmのミニ第3セクター鉄道。阿佐東線計画でほぼ完成していた路盤を工事継続して、1992年3月26日に海部〜甲浦間を開業。全線、トンネルや高架線ではあるが、探し歩けば、阿佐海岸国定公園の美しい海岸線と列車を写すことができる。現状の阿佐海岸鉄道線は牟岐線の延長区間でしかない。なぜ、8.5kmを第3セクター鉄道として開業に至ったのかを知りたくてこの地を訪れた。確かに、後免へ向かうには、室戸岬を廻るか、魚梁瀬の山中を突き抜けるしかなく、道路を含めで室戸への交通インフラは万全ではないため計画の意義はある。しかしながら、阿佐東線、西線を繋ぐ経済効果を見出すことは難しかった。終点、甲浦駅の高架橋は室戸を向いている。

» JR四国+三セク鉄道情景

四国の第3セクター鉄道で旧国鉄(JR)の継続路線は中村線だけで他の路線は新規開業線だが、JR四国の車両も当然のように乗り入れている。鉄道インフラとしてJRに見離されている第3セクター鉄道とは異なり、JRとの鉄道ネットワークの完全補完関係にある。実際、JR四国はJR旅客6社の中で最も規模が小さい。経営基盤も弱いため経営安定基金が造成や固定資産税減免を受けている。JRグループとは言え、地方鉄道や第三セクター鉄道と同様の経営状況であり、多路線会社とは異なる運営、経営方式が必要なことが理解できる。そんな理由もあってか、JR四国のフリー切符は充実していて第3セクター鉄道も利用できるようになっている。

» JR予土線 [土佐大正−土佐昭和]

土佐くろしお鉄道の若井とJR予讃線の北宇和島を結ぶ予土線は、しまんとグリーンラインの愛称の通り、蛇行する四万十川の流れに沿って走る風光明媚な路線。土讃線と予讃線を結ぶ短絡路線で起点は若井駅だが、若井駅〜荷稲駅間にある川奥信号場の間は、土佐くろしお鉄道中村線にも属する二重戸籍区間となっている。大正町は四万十川の鮎や椎茸、栗の生産地として有名。写真は第4四万十川橋梁を渡る定期列車、第一三島橋は四万十川の代名詞ともいえる沈下橋の一つ。
» JR予土線 [若井駅]

 若井駅〜川奥信号場間は土佐くろしお鉄道中村線にも属する二重戸籍区間となっているが、この小さな無人駅が予土線の起点駅であることに驚かされる。予土線と沈下橋の組み合わせで良く登場する若井沈下橋は、国道側から駅を絡め列車を撮影できる。四万十川本流、下流あわせて沈下橋は66橋あるそうだが、この若井沈下橋は現役の橋ではなく、沈下橋保存対象外沈下橋で窪川町の道路通帳からも削除されているそうだ。
» JR土讃線 [安和]

土讃線で海に最も近いあわ駅。車窓から太平洋を望みなから、駅に降り立つと目の前は砂浜。小さな入り(江安和海岸)を囲む斜面にはビワ畑が広がり、駅から少し上れば砂浜と列車をからめて撮影できる南国ムード満点な有名ポイント。青春18きっぷのポスターで有名になった予讃線下灘駅と同様、時間を忘れてしまう素晴らしい景観が広がる。
» 土佐くろしお鉄道阿佐線

阿佐線(あさせん)の時刻表表記は、全て愛称のごめん・なはり線が使われている。正式な起点は後免駅で、後免駅から奈半利駅へ向かう列車が下りだが、JR土讃線と連動して列車番号は、奈半利駅から後免駅へ向かう列車が下りに付ける奇数、逆方向が上りに付ける偶数になっているそうだ。大半の列車は、JR土讃線に乗り入れ、高知駅まで相互直通運転を実施している。
» JR牟岐線 [徳島−海部]

牟岐線(むぎせん)は、阿佐海岸鉄道阿佐東線とともに阿波室戸シーサイドラインの愛称がつけられているように、沿線には、日本一美しい海と指名された北の脇海水浴場や、ウミガメの来る町として有名な日和佐があり徳島県南観光の中心になっているが、オフシーズンは観光客も殆どいないのどなか沿線風景となる。鉄道敷設法により「高知県後免ヨリ安芸、徳島県日和佐ヲ経テ古庄附近ニ至ル鉄道」として室戸・後免方面への延伸が計画したが、海部駅までの延伸で終わった。
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